【そこ糸】fuwaさんの場合【編み物好きさんインタビュー】

【連載】そこに糸があるから

編み物好きさんにインタビューして、編み物をどう楽しんでいるのかを伺う企画「そこに糸があるから」。今回はfuwaさんにお話をお伺いしました!

手芸は誰かとやるもの→社交不安障害で一人でせざるを得なくなった

オリジナルの繊細なレース編みのアクセサリーやふわふわのファーヤーンを使用したキュートなあみぐるみを編まれているfuwaさん。
今は2020年1月と3月に控えているイベントに向けて作品を製作中とのこと。(詳細は下記プロフィールにて記載しております)

-人生で一番初めに編み物に触れたのはいつですか?

きっかけは覚えていないのですが、小学校低学年くらいの頃に2つ年上の姉と一緒にお揃いの棒針編みのマフラーを編みました。
小さい頃から手芸屋さんに行くのが好きで、 当時ユザワヤさんに母とよく行っていて、棒針編みは母に習ったのをよく覚えています。もこもこのファンシーヤーンで、私は黄色、姉は青色を選んで、メリヤス編みのマフラーを編んだんです。

-その前から他の手芸はされていたんですか?

幼稚園の頃から友達と一緒にアクリルビーズでアクセサリーを作ったり、フェルトでリカちゃん人形の服や帽子を縫ったりしていました。
基本的に手芸はその頃の私にとっては「誰かと一緒にやるコミュニケーションツール」で、一人でやるものではなかったです。

-私にとっては「手芸=一人で黙々とやるもの」というイメージが強かったので意外です!それから編み物は続けていたんですか?

いえ、最初にマフラーを編んでからは続かず、次にやったのは中学校の授業だったと思います。でもそのときはかぎ針編みの授業だったんですが、割とサクサクできた記憶があるので、かぎ針編みもそれ以前に鎖編みができる程度にはちょっとやってたのかもしれないです。ちょっと記憶が定かじゃないんですけど……。

-なるほど!

そのあと、中学2年のときに不登校になって、 社交不安障害が酷くなり、家から全く出られなくなってしまったんです。
そんなときに当時好きだったZipperという雑誌からニットブックが出ていることを知って、それに掲載されていたかぎ針編みのネット編みのセーターを編みました。

Zipperニットブック a/w (祥伝社ムック ジッパー手芸部プレゼンツ Vol. 1)

家族と一緒でも外に出られない日が続いて、そんなときに唯一自分にできることが手芸だったんです。
何もできないことに対する抑圧感や、何もしていないことに対する漠然とした不安を、唯一できる”手芸”で解消することができました。姉の服や小物を頼まれて作ったりして、家族に褒めてもらえるのが救いで、自信に繋がったので、ずっと作ることに没頭していました。
外に出られない不安よりも手芸をしたい気持ちが上回ったことで、手芸屋さんにだけは家族についてきてもらって通えていましたし。

-その頃は一人で手芸を続けていらしたんですか?

そうですね。ずっと一人でやっていました。
最初は件のかぎ針編みでしたが、布小物づくりや羊毛フェルト、刺繍、革小物、ありとあらゆる手芸に手を出して、キットが付いてくるハンドメイドレシピ雑誌のはんど&はあとやクチュリエの気になる技法のものはとにかくすべてやってみていました。
もう”自分にはそれ(手芸)しかない”と思っていました。

-ストイックにずっと続けていらしたんですね。そこから今のレース編みやあみぐるみにハマったきっかけはあったんですか?

なんでしょう、私は一つの技法にハマるとそれしかできなくなる性分で、今たまたまレース編みやあみぐるみが一番楽しいからやっているだけかもしれないです。

fuwaさんのレース編みアクセサリー
基本的にレース糸80番手または刺繍糸2本取りで、14号レース針(!!!)で編まれているそう

本当は時間があればもっといろんなことをやりたいんです。自分がもうひとりいればいいのに!

手にとってくれた人が幸せな気持ちになるような作品を作りたい

-今編み物をしていて一番楽しいのはどんな部分ですか?

自分で思い描いたものが形になっていくのが楽しいです!
あとは細かいものでみっちり面が埋まっていくのにたまらなく萌えます。刺繍だったらロングアンドショートステッチが大好きです!
そんな気持ちで編み図を書いています。小さい頃から迷路を書くのが好きだったので、同じような気持ちで編み図を書くのが楽しいんです。

-編み図はどうやって書かれているんですか?

編んでは書いて、違ったら解いて書き直してを繰り返しています。
話していて思いましたが、もしかしたら「編み図を書くために編んでいる」のかもしれないです笑

fuwaさんのカービィの編み図

-オリジナル作品を編み始めたのはいつ頃なんですか?

去年の夏くらいです。
それまでは本やキットの作品をその通りに作っていました。
去年の夏にオリジナルの作品をTwitterにアップしたら、想像以上に褒めてもらえて、それが嬉しくて原動力になっています。

-今イベント出展を控えていらっしゃいますが、イベントに出ようと思ったきっかけはあったんですか?

みんな結構簡単に「売れるよ!」っていうじゃないですか。私も昔からそう言われていて、2年前くらいから社交不安障害がよくなっていて、一人でハンドメイドイベントに行けるようになって、実際に参加したことで、「自分もやってみたい」と思うようになったんです。
最近HPやハンドメイド用のアカウントを新しく作ったら自信も出てきて、勢いでダメ元でいいから、と思って申し込んでみました。
もし不安が強かったらキャンセルすればいい、くらいの気持ちだったんですけど、今は本当にすっごいやる気満々です!!

-作品を通して、なにか伝えたい想いはありますか?

あみぐるみに関していえば、お迎えした人の心が少しでもあたたかく柔らかい優しい気持ちになるように編んでいます。なので優しい表情になるように心がけています。

fuwaさんのあみぐるみたち

というのも、私自身、去年ずっと一緒だった犬が亡くなって、とても寂しくて悲しくて少しでも犬に似たぬいぐるみを探しまわってぬいぐるみに心を癒やしてもらったからなんです。

なので自分で編んだあみぐるみには名前や性格などをつけないようにしています。お迎えしてくださった方に自由に想像して大切にしてもらいたいからです。

レース編みに関していえば、とにかく細かさを見て驚いてもらいたいです!
今までもそうでしたが手にとった人が「わあ!」と驚いてくれるのがとても嬉しくて、そこから「どうやって作ったんですか?」「どれくらい時間がかかったんですか?」と話が広がるのがとても楽しいからです!

ピアス金具と比較してみたら細かさ繊細さがよくわかります

fuwaさんおすすめの糸と針

-おすすめの糸はありますか?

刺繍糸がおすすめです!500色ととにかく色数が豊富なので!
私は14号のレース針で2本取りで編んでいますが、まずは6本取りからでも、いいと思います!

DMC 刺繍糸 見本帳 500色 W100BJ

-おすすめの針はありますか?

チューリップさんのエティモが最高です!
今までこだわりなく使っていましたが、グリップがあることで疲れにくくていいです!
そしてセットに付いているハサミが切れ味が良くてとても使いやすいです!!!

今、”全部無駄じゃなかった”と思える

-今ご活動されていて、楽しいことってありますか?

人との出会いがとても楽しいです!
あみだおれフェスをはじめ、いろいろな編みものイベントに顔を出したら編み物友達が増えたのがとても楽しいです。ずっと一人だったので。

蛍光灯ニット主催の編みピクにもきてくれました

-元々手芸はコミュニケーションツールだったんですもんね

そうなんです。だからイベントに出ることでまた新しい出会いがあることがとても楽しみです!
外に出られなかったのは辛かったけど、今それが形になってきて「今までのこと全部無駄じゃなかった」と思えています。

-最後に「あなたは何故編むのですか?」

え、えーと、とにかく楽しいから?

-あ、いいとも!的なノリでお願いします笑

あー!「そこに糸があるから」?笑

-ありがとうございました!笑

fuwaさんプロフィール

fuwa(ふわ)
レース編みアクセサリー・あみぐるみ作家
埼玉県在住

植物・自然・動物からヒントを得て、手に取った時・身に着けた時に”ふわふわ心が躍るようなもの”を目指して制作している。
レース編みでは植物の繊細さを表現し、普段使いから特別な日までコーディネートのワンポイントにしていただけるアクセサリーを編んでいる。
あみぐるみはふわふわの手触りと優しい表情にこだわっている。

HP→ http://fu-wa.work/
Twitter
→ハンドメイド( @fuwa_crochet
→犬( @pome_no_chocola
Instagram→(fuwa.crochet
creema→ https://www.creema.jp/creator/3765961
minne→ https://minne.com/@pompomc

*今後の出展予定*
・2020/1/12
Hand Made In Japan Fes冬
ブース番号C-450
・2020/3/29
minneのハンドメイドマーケット2020
ブース番号現在未定

タイトルとURLをコピーしました